Linuxプロセス間socketpair通信でブロックが発生する問題
Linuxシステムでは、socketpair関数で作成したソケットペアはプロセス間の通信に使用できます。ただし、通信時にブロックの問題が発生する可能性があります。
ソケットからデータを読み取ろうとするプロセスで、読み取可能なデータがない場合、読み取り操作はデータが使用可能になるまでブロックされます。同様に、プロセスがソケットにデータを書き込もうとする際、ソケットの送信バッファがいっぱいの場合、書き込み操作は十分なスペースが使用可能になるまでブロックされます。
この問題への対処法としては、非同期IOやマルチスレッドによるブロック時の処理が考えられます。非同期IOでは、fcntl関数を使ってソケットを非ブロックモードに設定し、select関数やpoll関数を使ってソケットが読み書き可能か否かを監視します。ソケットが読み書き可能でない場合、ブロックを回避して他の処理を実行できます。マルチスレッドでは、読み込み処理と書き込み処理を別スレッドで行い、データの受け渡しにはスレッド間の通信手段を使用します。
ソケットのバッファサイズはソケットオプションを使って設定して利用可能領域を増やすこともできます。受信用バッファと送信用バッファのサイズは、setsockopt 関数を使って SO_RCVBUF オプションと SO_SNDBUF オプションを設定することで調整可能です。
ノンブロッキングIO、マルチスレッディング、バッファサイズの調整などを用いることで、Linuxにおけるプロセス間のsocketpair通信のブロック問題に対処できることが示された。