Java のクラスと構造体の違い
Java クラスと構造体(Struct)は異なる概念であり、以下の違いがあります。
- Javaクラスは、クラスキーワードで定義されるオブジェクト指向プログラミングの基本単位であり、フィールドとメソッドを含めることができます。一方、構造体はデータ構造であり、Javaには構造体タイプはありませんが、クラスや配列を使用してシミュレートできます。
- Javaのクラスはアクセス修飾子でプロパティのアクセス権を制御できますが、構造体のプロパティはデフォルトでpublicであるため、アクセス権を制御できません。
- 継承と多態性:Javaクラスは継承と多態性に対応しており、extendsキーワードで他のクラスを継承してコードの再利用や拡張を実現できます。これに対し、構造体は継承と多態性の概念がなく、構造体の複製による属性の再利用のみが可能です。
- メソッド: Javaクラスはメソッドを定義でき、メソッドを通して一連の操作や振る舞いをさせることができます。一方、構造体はメソッドの概念がなく、単にデータを格納・構成するために使われます。
- メモリの管理方法が異なる。Javaのクラスは参照型で、ヒープメモリにオブジェクトを作成し、使用が終わったらJava仮想マシンによりガベージコレクションが行われる。一方、構造体は値型で、スタックメモリ上に作成され、スコープが終了すると自動的にメモリが解放される。
Javaクラスはカプセル化、継承、多態などの特徴を備えたオブジェクト指向プログラミングの基本単位であり、複雑なシステム開発に向いています。一方、構造体はカプセル化や継承などの特徴を持たない単純なデータ構造であり、簡単なデータの保存や受け渡しに向いています。