MySQL的行ロックとテーブルロックの使い分け
MySQLでは行ロックとテーブルロックがデータベースへの同時アクセスを制御するメカニズムとして使用され、複数のユーザーが同時に同一行または同一テーブルのデータを変更することを防ぐことで、データの一貫性と完全性を保護します。
- 行ロック:行ロックはデータテーブル内の1行に対してロックをかけ、ロックされた行のみが変更されるようにする。行ロックは以下のように使用されます。
- SELECT … FOR UPDATE文を実行するとその行に対するロックを取得し、他のユーザはそのロックが解除されるまでその行の更新操作を待機する。
- トランザクションでSET TRANSACTION ISOLATION LEVEL SERIALIZABLEを使用すると、トランザクションの分離レベルが SERIALIZABLE になり、データの読み取りごとに自動で行ロックが行われます。
- テーブルロック:テーブルロックはデータテーブル全体に対してロックを行い、ロックされたテーブルのみが変更できます。テーブルロックは以下の方法で使用します。
- LOCK TABLES ステートメントを使用してロックが必要なテーブルにロックをかけることで、他のユーザーはロックが解除されるまでそのテーブルを変更することができません。ロックされたテーブルには、他のユーザーがテーブルを読み取ることのできる読み込みロックと、他のユーザーがテーブルを読み書きすることを許可しない書き込みロックがあります。
- トランザクション内でLOCK TABLES文を使用してテーブルをロックし、トランザクション完了後はUNLOCK TABLES文でテーブルロックを解除します。
ロック使用時は具体的な業務要件や同時アクセス状況に応じて行ロック、表ロックの使い分けが必要になり、過剰なロック使用はパフォーマンスの低下やデッドロックなどの問題につながるため、使用時には慎重に検討し、十分なテストやチューニングを行う必要があります。